公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、繊毛内タンパク質輸送に関与するIFT-A複合体とIFT-B複合体、これらの複合体に結合するタンパク質の輸送や機能について解析した。1.独自に開発した『観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法(VIPアッセイ)』を活用して、繊毛内の逆行性タンパク質輸送に関与するIFT-A複合体(7サブユニットからなる)の構築様式を解明した。さらに、独自に改良したCRISPR/Cas9ゲノム編集法により作製したIFT-A複合体のサブユニットのノックアウト(KO)細胞を用いた解析によって、IFT-A複合体が従来から言われている繊毛内逆行輸送だけでなく、GPCRなどのタンパク質の繊毛内への進入にも関与することを初めて明らかにした。2.繊毛病ジュベール症候群の原因遺伝子産物である低分子量GTPのARL13Bが順行性タンパク質輸送に関与するIFT-B複合体(16サブユニットからなる)に、IFT46-IFT56二量体を介して結合することを明らかにした。しかし、KO細胞を用いた実験によって、ARL13BはIFT-B非依存的に繊毛内へと進入し、繊毛全体に分布することを明らかにした。さらに、ARL13Bは、別のジュベール症候群原因遺伝子産物であるINPP5Eと協調して機能することを明らかにした。3.モータータンパク質のKIF17がIFT-B複合体にIFT46-IFT56二量体を介して結合することを明らかにした。しかし、タンパク質間相互作用の実験や、KO細胞を用いた実験によって、KIF17はIFT-B複合体のモーターとして機能するのではなく、IFT-B複合体の積み荷タンパク質として、繊毛の先端へと輸送されることを明らかにした。さらに、KIF17の繊毛内への進入には核移行シグナル(NLS)も必要であり、このNLSにはインポーチン・αファミリーが結合することを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 2015
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件)
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