公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
前年度に引き続き、一次繊毛局在性GPCRの輸送メカニズムを解析し、以下の知見を得た。1)セロトニン受容体Htr6の一次繊毛局在に影響を与えるタンパク質を探索した。Htr6を恒常的に発現する腎臓由来IMCD3細胞を樹立し、この細胞に対してsiRNAを用いた発現抑制によりHtr6の一次繊毛局在が減少する分子をスクリーニングした。その結果、10個の分子が同定された。2)1)の解析で得られた分子群とHtr6の結合を調べた。Htr6と各分子をHEK293T細胞に共発現し、免疫沈降実験により相互作用を評価した。その結果、ほぼ全ての分子がHtr6と結合し、その中でも4つの分子がHtr6と強く結合した。3)強く結合した分子とHtr6の結合特異性を調べるために、一次繊毛へ局在しないセロトニン受容体Htr7との結合を評価した。その結果、少なくとも2つの分子は、Htr7と比べてHtr6とより強く結合した。4)見出された2つの分子が相互作用するかを、2)と同様の免疫沈降実験で調べた。その結果、両者が共沈降することが分かった。以上の結果から、見出された2つのタンパク質はHtr6を一次繊毛へ運ぶ役割を担うことが示唆された。今後は、2つの分子がどのように協調して働いてHtr6を一次繊毛へ輸送するか、2つの分子はHtr6のCTS(ciliary targeting sequence)を認識して結合するか、さらにHtr6以外の一次繊毛局在性GPCR輸送にもこれらの分子が介在するかを明らかにする必要が有る。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
EMBO Reports
巻: 18 号: 2 ページ: 334-343
10.15252/embr.201541922
Cell Cycle
巻: - 号: 9 ページ: 1-2
10.1080/15384101.2017.1304738
http://bsw3.naist.jp/itoh/