公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では「植物細胞の脱分化・器官再生におけるペクチン構造再構成の役割を明らかにする」ため、植物では解析が進んでいないペクチン分解酵素遺伝子 PECTATE LYASE-LIKE(PLL)に着目して研究を行った。1.シロイヌナズナ胚軸脱分化初期のトランスクリプトーム解析から見出された、胚軸脱分化時に発現量が大きく上昇する3つのPLL遺伝子のT-DNA変異体(ノックダウン変異体)を整備し、これらの一重、二重、三重変異体を確立した。さらにこれら変異体で胚軸カルス形成(とくにカルス成長)が阻害されることを明らかにし、PLLは細胞増殖活性維持に機能している可能性を見出した。2.胚軸の脱分化およびカルス化過程について、ペクチン主鎖ホモガラクツロン酸に関する特異的抗体(高メチル化ホモガラクツロン酸および低メチル化ホモガラクツロン酸のそれぞれに対する抗体)を用いた免疫組織学的解析を行い、胚軸の脱分化およびカルス化に伴ったペクチン動態を明らかにした。また、こうしたホモガラクツロン酸の分布変化はpll 変異体では撹乱されていることも分かり、上述の細胞増殖活性の維持に、適切なペクチン構造制御が重要であることが示唆された。3.ペクチン成分に影響して細胞壁を弛める化合物と考えられるラサロシドナトリウム(LS)を見出し、LS処理時のトランスクリプトーム解析を行った。この結果、LS処理24時間後にはジャスモン酸関連遺伝子やペルオキシダーゼ遺伝子の発現が大きく上昇することが分かり、セルロース生合成阻害化合物添加によって明らかにされてきたcell wall integrityシグナリング経路との共通性が見出された。また、LS処理が植物ホルモン(アブシジン酸、オーキシン、サイトカイニン)の蓄積量に影響する可能性を示し、ペクチン生合成異常が広範な生理応答を引き起こす可能性を明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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