公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
プルキンエ細胞特異的にカテプシンDおよびAtg7を欠損させたマウス(CTSDF/F; GluD2-CreおよびAtg7F/F; GluD2-Cre)は共にプルキンエ細胞の変性を来すが、変性中の神経細胞はTUNELや活性化カスパーゼ-3、-9が陰性であった。一方全身性のカテプシンD欠損マウスに見られる海馬錐体細胞の細胞死についてはTUNEL陽性であり、その一部は活性型カスパーゼ-3が陽性であった。電子顕微鏡観察においては、変性過程の電子密度の高いカテプシンD欠損プルキンエ細胞、Atg7欠損プルキンエ細胞の両者において、典型的なクロマチンの凝集像が見られなかった。このことは、これらプルキンエ細胞はカスパーゼ非依存的な細胞死の経過を取ること示すとともに、カテプシンD欠損マウスではその神経系の部位により変性過程のメカニズムが異なることを示している。さらに、変性に伴うグリアの活性化を、GFAPおよびIba1染色で検討したところ、ミクログリアの活性化は細胞死が起こる時期に一時的に認められるにすぎないのに対し、バーグマングリアの活性化はプルキンエ細胞が消失後にも持続することが明らかとなった。加えて、プルキンエ細胞特異的カテプシンDおよびAtg7欠損マウス小脳変性の時間経過を検討したところ、前者のほうが後者より約1ヶ月早く変性が起こることが分かった。プルキンエ細胞特異的カテプシンD欠損プルキンエ細胞では異常なリソソーム、オートファゴソームの蓄積が顕著であり、これらが変性を加速させている可能性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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