配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2015年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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研究実績の概要 |
本研究では、レドックスシグナル伝達の可逆性担保における活性イオウ分子の重要性を明らかにすることを目的としており、レドックスサイクルを介して効率良く活性酸素種を産生する9,10-フェナントラキノン(9,10-PQ)をモデル電子受容体として研究を行ってきた。 9,10-PQ以外の電子受容体(ビタミンK3、パラコート、PQQ、CoQ10)と異なるRSS(Na2S2、Na2S3、およびNa2S4等)とを反応しても、程度の差はあるものの反応溶液中溶存酸素の消費が認められ、同時に当該電子受容体ラジカル体およびチイルラジカル体の産生が電子スピン共鳴(ESR)で検出された。興味深いことに、好気的条件下においても、それぞれで生じたチイルラジカル体は電子受容体ラジカル体に比べて安定だった。さらに、サイクリックボルタメトリーを用いて、用いた電子受容体および活性イオウ分子のような電子供与体の酸化還元電位を測定した。 過酸化水素および9,10-PQによるEGFRの活性化にはPTP1BのCys215の酸化修飾が関与することから、リコンビナントPTP1Bを用いて検討した。その結果、 過酸化水素および9,10-PQのレドックスサイクルで生じた活性酸素種によるPTP1Bの酸化修飾は、活性イオウ分子により生じる中間体(SSOH基、SSO3H基等)を介して可逆性が担保されることが示唆された。
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