公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
脳は興奮性と抑制性のニューロンから構成されるネットワークの集まりからできている。抑制性ニューロンはGABAニューロンとグリシンニューロンに大別される。一方、様々な機能プローブや蛍光タンパク質が開発され、神経回路研究に利用されている。しかし、特定のニューロンに限定して機能プローブを十分量発現させたり、発現のON/OFFを制御することは容易でない。そこで本研究では、テトラサイクリン発現誘導システムを利用し、遺伝子改変マウスとウイルスベクターとを組み合わせ、抑制性ニューロン全体、GABAニューロン及びグリシンニューロン選択的に機能プローブや蛍光タンパク質が発現するシステムの構築を目指した。GABAニューロン選択的遺伝子発現システムに関しては、GABAニューロン特異的にテトラサイクリントランスアクチベーター(tTA)が発現するGAD67-tTAノックインマウス海馬にテトラサイクリン応答因子を含むプロモーターの下流にGFP遺伝子を配置したアデノ随伴ウイルス(AAVウイルス)を注入し、5日後にGFPの発現を検討した。GABAニューロンの分布に類似したGFP陽性細胞の発現分布を観察した。その際に、個々のGFP陽性細胞では強いGFP発現が観察された。一方、AAVウイルスを注入した野生型マウス(コントロール)海馬ではGFPの発現が検出されなかった。従って、海馬においてもウイルス注入後短期間で十分量の遺伝子発現が可能であることが示唆された。グリシンニューロン選択的遺伝子発現システムに関しては、グリシンニューロン特異的にtTAが発現するGLYT2-tTAノックインマウスの作製が完了し、繁殖させた。抑制性ニューロンを蛍光タンパク質で標識した遺伝子改変マウス、トランスジェニックラットの利用により飢餓反応に関与する神経回路の解明や小脳グロビュラー細胞の薬理学的特性の解明などに貢献した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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