公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、環境依存的に性が決定されるオオミジンコにおいて、オスの性決定遺伝子の上流から dsx1 と同様にオス特異的に転写され、dsx1 を活性化する lncRNA、DAPALR の解析を行った。第一に、前年度の 3’ RACE に引き続き、DAPALR の全長を明らかにするために、5’ RACE を行った。オス個体から非ポリアデニル化 RNA を抽出、精製し、5’ キャップ構造特異的に RNA オリゴを付加後、RT-PCR を行い 5’ 末端を増幅した。その結果、 DAPALR は 3650 塩基からなる 5’ キャップ構造を有する非ポリアデニル化 RNA であることが判明した。第二に、DAPALR の dsx1 活性化の作動エレメントを in vivo で明らかにするために、dsx1 の遺伝子発現を可視化できる遺伝子組み換えミジンコの作出を行った。TALEN を利用して dsx1 を切断し、片側のアレルに赤色蛍光タンパク質遺伝子 mCherry を組み込むことに成功し、dsx1 と同様にオス特異的に mCherry を発現する個体を得た。mCherry が発現するタイミング、場所は dsx1 の発現パターン、オスの性分化のタイミングと一致していた。このため、この系統を dsx1 レポーターミジンコと名付け、以後の実験に供した。第三に、DAPALR の発現プラスミドを作製し、これを dsx1 レポーターミジンコの卵に注入した。その結果、DAPALR によりメス予定胚で mCherry の発現が誘導された。さらに、DAPALR を複数の領域に分割し、それぞれの領域をコードする RNA をメス予定胚に注入し mCherry の発現誘導能の解析を行った。これまでに、DAPALR の作動エレメントを 225 塩基まで絞り込むことに成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
Scientific Reports
巻: 6 号: 1 ページ: 3652-3652
10.1038/srep36252
PLoS One
巻: 11 号: 5 ページ: e0154636-e0154636
10.1371/journal.pone.0154636
Sci Rep
巻: 5 号: 1 ページ: 18312-18312
10.1038/srep18312