公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
kdRNAが観察されたCENP-Sタンパク質遺伝子のノックアウト細胞において、セントロメアクロマチン構造に違いが存在するかどうか、セントロメアの位置決めに必須なCENP-Aのゲノム上の存在領域について、ニワトリZ染色体のセントロメアを対象に比較解析を行った。具体的には、抗CENP-A抗体を用いたChIPseq法によりセントロメアクロマチンの正確な位置の特定を行った。比較解析の結果、CENP-Sノックアウト細胞では細胞増殖を経る過程でセントロメアクロマチンの位置が正常細胞と比較し高頻度に動く現象を見いだした。この現象は、CENP-Uノックアウト細胞においても同様に観察された。CENP-S, -Uは動原体の構成因子であり、これらノックアウトを行っても細胞増殖は可能であるが、動原体構造が部分的に欠損すると考えられる。CENP-Sノックアウト細胞ではセントロメア上のCENP-H複合体タンパク質量の減少が観察され、CENP-Uノックアウト細胞ではCENP-H複合体タンパク質の塩抽出に対する安定性が減少することが分かった。これらの結果から、両ノックアウトで生じるCENP-H複合体の減少や不安定化が、セントロメアクロマチンが高頻度に動く原因の一つである可能性が示唆された。動原体は細胞分裂において微小管と結合し染色体分配を担う構造であるが、同時にセントロメアクロマチンをゲノム上の任意の場所に安定に維持する機能も担っていることを本研究により示した (Hori et al., J. cell Biol., 2017)。CENP-H複合体タンパク質の減少や不安定化、あるいはセントロメアクロマチンが高頻度に動く現象とkdRNAがセントロメアから生じる現象との関連は今後の課題であり、kdRNAのセントロメアクロマチン構築における役割解明に向けた重要な知見である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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