研究領域 | 細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム |
研究課題/領域番号 |
15H01501
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
林 茂生 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (60183092)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2016年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2015年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 細胞競合 / Fitness / ショウジョウバエ / 細胞脱離 / 頂端面 / 極性分子 / 上皮 / 胚発生 / ライブイメージング / 上皮細胞 / 細胞の脱離 / 細胞の挿入 / 細胞極性 |
研究実績の概要 |
細胞競合は等価な細胞集団において特定の細胞が増殖と生存の優位性(Fitness)を獲得し、fitnessの劣る細胞は組織から排除されるとする考え方である.細胞競合は遺伝的に標識された二種類の細胞集団の増殖率を比較する事で検出されるため、増殖と成長が緩やかな組織で細胞競合が起こるのかについての知見はまだない。本研究では細胞増殖を伴わない細胞競合が起きるかを検討した。ショウジョウバエ胚発生後期(細胞分裂15-16回目)では外胚葉に細胞が密集し表面張力がプラス(押し合い)の状態で頂端面の拡大縮小を繰り返すゆらぎの状態にあり、体節間の溝や各種器官の原基を内部に陥入させる原動力となっている。ライブイメージングにより外胚葉の細胞が一定の頻度で個別に頂端面積を減少させ、その一部の細胞が基部側に脱離することを見いだした。この脱離運動の容態に関して以下の知見を得た。1)細胞脱離はミオシン集積や核の凝集を伴わず、細胞死による脱離とは様相が異なる。2)神経分化においても脱離が起こる事が知られているがstage11の細胞脱離は神経細胞の大幅な減少を招くAc/Sc遺伝子の欠損変異体においても見られる。3)頂端面はsubapical(SA)とその基部側に位置する接着結合部位(AJ)に分かれるが脱離に際してはAJマーカー(Par6, p120CTN)が維持されるのに対しSA分子(Crumbs, aPKC)は減少することを見いだした。4)Crumbsの遺伝子量を1/2にした個体では細胞脱離の頻度が上昇する。これらの結果から頂端面のSA分子量はゆらぎ状態にあり、それらが閾値を下回ると頂端面を維持できず脱離すると考えられた。これらの結果はSA面の極性分子がFitnessの指標となり、その消失が脱離というかたちで細胞排除につながると解釈出来る。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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