公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
リボソームで合成された新生ペプチドは,大サブユニットを貫く出口トンネルを通って出てくる。出口トンネルを1/3ほど進んだところには,出口トンネルが狭まった「狭窄部位」があり,リボソームタンパク質のRPuL4とRPuL17のβ-loopが出口トンネルに突き出た構造になっている。狭窄部位は新生ペプチドとの相互作用部位として注目されている。シロイヌナズナは2つのRPuL4遺伝子を持つ。RPuL4の一つのオルソログのノックアウト株に,β-loopのステムの両側部分に1アミノ酸欠失を導入し,C末端にFLAGタグを付けた変異型遺伝子を導入したトランスジェニックシロイヌナズナ株から調製したシロイヌナズナ無細胞抽出液を用いた試験管内翻訳では,変異型リボソームの形成率に応じて,S-アデノシルメチオニンに応答した翻訳停止効率が低下することを見いだしている。FLAGタグを利用した免疫沈降法により,シロイヌナズナ試験管内翻訳系における変異型リボソームの割合を増加させた結果,変異型リボソームの濃縮率に応じて翻訳停止効率がさらに低下した。変異型リボソームと翻訳停止効率を,直接的に関連づけることができた。酵母でno-go mRNA decayを誘導すると報告されているステム・ループ構造を持ったmRNAをシロイヌナズナ試験管内翻訳系で翻訳させると,翻訳停止が起こることをH27年度に見いだしている。この実験系について,詳細な解析を行なった結果,翻訳停止がステム・ループ構造の前半のステム内で起きていると考えられることを見いだした。しかしながら,強力なステム・ループ構造であるがために,プライマー伸長反応は困難であり,リボソームの停止位置を正確に同定するには至らなかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
FEBS Letters
巻: 印刷中 号: 9 ページ: 1266-1277
10.1002/1873-3468.12634
The Plant Cell
巻: 28 ページ: 2830-2849
Scientific Reports
巻: 6 号: 1 ページ: 21411-21411
10.1038/srep21411
http://www.agr.hokudai.ac.jp/arabi/research-cgs-e.html