公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
我々は、小胞体で初めて還元活性に特化した還元酵素ERdj5を発見し、小胞体関連分解における分解基質のジスルフィド結合を還元し、再び一本のポリペプチド鎖にすることによって小胞体からサイトゾルへ効率よく逆行輸送させていることを示した(R. Ushioda et al. Science 2008、R. Ushioda et al. Mol. Biol. Cell. 2013)。また我々はERdj5全長の結晶構造を解き(M.Hagiwara et al. Mol. Cell 2011)、構造解析を基盤としたより詳細な分子メカニズムの解明に貢献してきた。さらに研究期間内で、ERdj5の新しい機能として、小胞体内腔のカルシウム調節にも関わることを明らかにし(R. Ushioda et al. PNAS 2016)、小胞体内腔の還元酵素の重要性を高めた。本研究では、ERdj5の還元メカニズムに関して新生鎖に着目し、小胞体に挿入された新生鎖の還元力が小胞体のレドックス環境に与える影響、およびERdj5の還元力の供給に着目して研究を行ってきた。ジスルフィド結合依存的クロスリンカーDVSFを用いることで、これまで同定された結合タンパク質とは異なるタンパク質を同定した(K.Araki et al. Anal. Biochem 2017)。ERdj5との結合タンパク質を同定し、酸化酵素Ero1が新生鎖からERdj5の電子の移行を仲介している可能性が強く示唆された。また、結合サイトの同定にも成功し、両タンパク質のドッキングシュミレーションでは構造的にも電子伝達の可能性を示唆するデータを得ることが出来た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (3件)
Anal. Biochem.
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Structure
巻: 印刷中
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http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~nagata/index-j.html
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~nagata/ushioda_profile.html