公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
新生児に現れる病状・障害を早期に発見することは出生後の予後予測や重症度の緩和,運動機能の獲得訓練などの適用に必要不可欠となるだけでなく,人間の運動機能の発達メカニズムを明らかにするための足掛かりとなり得る.本研究の目的は,新生児に生じる自発運動である General Movements(以下,GMs と略記)を非接触計測し,運動発達と発達障害の関連性を明らかにするとともに,発達障害児もしくはその危険児を早期にスクリーニングする手法を開発することである.具体的には,(i) GMs評価機能の開発と自律神経および痙攣との関係性解析,(ii) 幼児の行動評価機能の開発,(iii) 胎児から幼児期に至るコホート研究とGMsの多角的解析の3項目を達成目標とする.本年度は,各項について以下の目標を達成した.(i):深層学習の技術であるStacked AutoEncoderと研究代表者が独自で開発した統計構造を内包したニューラルネットを融合することで,動画像を入力としてGMsの識別に有効な特徴量を学習的に獲得可能なGMs評価支援システムを開発した(木下ら,日本発達神経科学学会第5回学術集会).(ii):昨年度までに開発したGMsの自動識別システムを応用し,動画像解析に基づく乳幼児ハイハイ動作を評価可能なシステム(川嶋ら,日本赤ちゃん学会第16回学術集会)と,音楽療法中の児の行動を画像処理と音声解析によって定量評価可能なシステムを開発した.(iii):(ii)項で構築したハイハイ動作評価システムを用いて,ハイハイ動作の経時発達評価を行う(川嶋ら,日本発達神経科学学会第5回学術集会)とともに,昨年度開発した重心動揺評価システムを用いて,成人のASD者の姿勢制御の認知メカニズムを解析した(槇ら,日本発達心理学会第27回大会).
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Current Pediatrics Research
巻: 20(1&2) ページ: 103-117
http://www.bsys.hiroshima-u.ac.jp/