研究領域 | 動的構造生命科学を拓く新発想測定技術-タンパク質が動作する姿を活写する- |
研究課題/領域番号 |
15H01654
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡本 憲二 国立研究開発法人理化学研究所, 佐甲細胞情報研究室, 専任研究員 (40402763)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 1分子計測 / FRET / 蛋白質構造 / 生細胞計測 / Raf / 1分子計測(SMD) / 細胞 / 生体分子 / 1分子計測 (SMD) |
研究実績の概要 |
コンフォーカル顕微鏡をベースとし、2基の検出器ですべてのフォトンの検出時刻を記録する TS 検出を実現した1分子FRET計測顕微鏡装置を開発した。予備実験段階ではS/N比が低く、FRETの異なる分子を識別できていなかったが、実験条件を最適化してS/N比を向上し、複数のFRETピークを分離して識別できるまでに測定精度を向上させることに成功した。またアクセプタの直接励起を可能にするレーザーを導入し、2色の励起光を高速(周期 10kHz)で切り換えることでALEX計測を実現する装置開発をおこなった。これにより、バースト毎に、FRETと蛍光ラベルの活性状態との同時検出を可能にした。2重らせんDNAの参照試料を用いたin vitro系実験で、開発した装置の検証をおこなった結果、褪色分子の影響を取り除き、FRET分布の情報だけを取り出せることを明らかにした。 開発した装置を用いて、細胞内Raf分子の1分子FRET計測をおこなった。褪色分子の影響を取り除いて細胞内Raf構造分布を得ることに成功し、その結果、少なくとも3つの構造状態が存在すること、細胞にEGF刺激が加わると5分程度で高FRETから低FRETに分布が移動し、20分程度までにほぼ元の分布に戻ること、などが明らかになった。このようなEGF刺激への過渡的な応答は、従来の知見やバルクでの細胞イメージング実験結果と整合するものである。また、分子毎の分布として捉えたことにより、EGF刺激に応答しない成分が存在することが分かった他、応答して構造変化したRafの応答前後でのFRETや、応答したRafの割合などを定量的に捉えることにも成功した。細胞質中の分子について1分子計測をおこない、特に、細胞内反応ネットワークとの相互作用による変化を検出した点、さらに、応答による変化を定量的に捉えた点に関しては、世界でも初めての画期的な成果である。
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|