研究領域 | 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現 |
研究課題/領域番号 |
16H00764
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
申 惠媛 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (10345598)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2016年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 生体膜 / リン脂質 / フリッパーゼ / 細胞・組織 / 脂質 / 脂質二重層 |
研究実績の概要 |
生体膜の脂質二重層は、その内葉と外葉において脂質組成の非対称性を有し、動的秩序を保持している。生体膜の動的秩序の変化は、アポトーシス、血小板の凝集、筋芽細胞の融合のような生理機能に必須である。本研究では、脂質二重層の時空間的な脂質の組成変化をもたらすP4-ATPase(flippase)に着目し、P4-ATPaseの活性を調節する分子機構を解明し、生理機能とどのようにリンクしているかを明らかにすることを目的とした。本研究では、PSを特異的にフリップするP4-ATPaseのATP11Cの活性調節メカニズムを明らかにした。ATP11Cは細胞膜に存在し、PSをフリップすることで細胞膜の脂質組成の非対称性を維持している。ATP11Cが、Ca2+シグナルによってPKCが活性化されるとエンドサイトーシスされることで細胞膜から隔離され、細胞膜のPS-フリップ活性が低下することを見出した。そのメカニズムとしてPKCによってATP11CのC末端がリン酸化されることでエンドサイトーシスに必須なジロイシンモチーフが形成され、クラスリンによって細胞内に取り込まれることを明らかにした。エンドソームに取り込まれたATP11CはCa2+シグナルがなくなると再び細胞膜へリサイクルされることを発見した。したがって、ATP11Cはシグナル依存的に細胞膜から隔離されるが、その後細胞膜に戻ることで細胞膜の脂質非対称性の恒常性を担っていることが考えられた。さらに、このようなATP11Cのエンドサイトーシスによる活性調節は、GPCRのセロトニン受容体やヒスタミン受容体の活性化によるCa2+シグナルによって制御されることも明らかにした。したがって、このようなGPCRの活性化シグナルの下流でATP11Cの活性が調節され、細胞膜のPSの非対称性が制御されていることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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