公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
・バクテリアの走化性による集団運動走化性物質を分泌して他の個体を引き付ける性質(自己走化性)によるバクテリアの凝集について、排除体積による整列効果を取り入れたモデルを開発した。ラン・アンド・タンブル運動を行うバクテリアを、格子上をランダムウォークする粒子として表し、走化性物質の濃度の時間勾配に応じて粒子の方向転換の確率が変化するようなルールを導入することで、走化性による運動のモデルを作成した。またこの確率モデルのマスター方程式を粗視化することで古典的な現象論モデル(Keller-Segel 方程式)を再導出した。次に格子点の排他的占有ルールおよび隣接粒子とのネマティック相互作用を導入して、数値計算によってクラスター形成のダイナミクスを解析した。最大クラスターサイズは走化性パラメーターの関数として不連続な転移を示す。ネマティック相互作用の効果によって凝集は阻害、遅延される傾向を持ち、形成されたクラスターは伸長して直進運動する。またクラスター内部は極性秩序を持つ配向ドメインと位相欠陥からなることを示した。・バクテリア乱流中におけるコロイド粒子の集団運動ハルトムート・レーヴェン氏(デュッセルドルフ大学、ドイツ)との共同研究を進め、2次元モデルの数値計算によってコロイド粒子間に働く有効的流体力学相互作用を解析した。この相互作用は粒子間の距離に対して非単調な依存性を示し、距離0で強さが0になることを見い出した。また2個の粒子が同方向、逆方向のいずれに回転する場合でも引力となるが、近接時においては逆方向の回転が選択されることを示した。これにより3個以上の粒子からなるクラスターでは相互作用のフラストレーションが発生し、クラスター凝集を遅延させることが分かった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 86 号: 10 ページ: 101007-101007
10.7566/jpsj.86.101007
210000134523
JPSJ News and Comments
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