研究領域 | 理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学 |
研究課題/領域番号 |
16H00829
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金 鋼 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20442527)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 水型液体 / 液液転移 / ガラス転移 / 過冷却水 / 分子動力学シミュレーション / 遅いダイナミクス / 水素結合ダイナミクス / 分子シミュレーション / 異常液体 |
研究実績の概要 |
水は密度最大温度など通常の液体には存在しない異常な性質を示す。水の異常性は低温で水素結合によって四面体構造を形成することに起因すると考えられるが、水素結合ネットワークだけで液相としての水の異常性を定量的に解明するには至っていない。約20年前に実験で低温高圧の条件下で密度の異なる2種類のアモルファス氷が発見されたことにより、液相としての水の異常性を統一的に説明する理論として低密度水と高密度水に相分離する第二の臨界点が存在するという液液相転移仮説が提唱され、現在その存否について論争の真っ只中にある。本研究では水分子を回転剛体子として扱うTIP4Pなどのモデルではなく、水の四面体構造を粗視化し、水5量体をひとつの相互作用点として扱った、単成分・球対称ポテンシャルであるcore-softenedポテンシャルを用いて、液液相転移と水的異常性について解析をおこなった。特に拡散係数、粘性係数から動力学異常性を、熱力学積分法によって得られた過剰エントロピーから熱力学異常性を解析した。その結果、それらの物理量の密度依存性に異常性があり、p-T相図上で低温側から高温側に向かって、密度最大温度、粘性係数、拡散係数、過剰エントロピーの順でドーム型領域として広がることを見出した。この異常領域の階層的な構造は、水剛体回転子モデルの分子動力学シミュレーションの結果と整合することがわかった。さらに、Rosenfeld式と呼ばれるスケーリング手法を用いて、輸送係数と過剰エントロピーの異常性を関連付けた。熱力学関係式から密度異常性と過剰エントロピー異常性が直接関係することから、p-T相図上における階層的な異常領域の出現が相互に結び付くことを明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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