配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2016年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、(1)次元拡張型VCD装置の開発を行い、(2)ペプチドオリゴマー中のD-アミノ酸の検出を目指した研究を行った。(1)に関しては、VCD装置のバージョンアップを行い、ベースラインの長期間安定性を実現し、信号/雑音比をあげて微弱シグナルの測定を可能とした。それと同時に直線偏光の測定も可能とし、固体VCD法の開発をおこなった。(2)(2A)粘土鉱物(モンモリロナイト)表面にキラルな金属錯体Δ-あるいはΛ-[Ru(phen)3]2+(phen=1,1-phenanthroline)を吸着させて、モンモリロナイト表面にキラル認識場を作製した。インターカレートした錯体のΔ、Λ体に対応して反転したシグナルを得ることができた。さらに、この試料中にキラル物質として有機分子であるR,-あるいはS-BINOL(1,1’-bi-2-naphthol)を吸着させ、モンモリロナイト面上におけるキラル分子間の相互作用を検討した。モンモリロナイトを含めた3成分系にVCD法を適用した結果、金属錯体との相互作用により柔らか分子の有機分子BINOLがコンフォーメーションを変える証拠を得ることができた。VCD法を層状化合物に初めて適用した例である。(2B)パーフルオロ基をもつ低分子量ゲル化剤とアルキル基をもつ2成分系のキラルゲルに対してVCD法を適用した。ゲル化速度と熱力学的安定性への影響を検討した。特に、ゲル化剤のキラリティの影響(立体化学的効果)の検討をおこなった。VCD吸収がゲル化に伴い増大してく現象を観察した。(2C)ペプチドオリゴマー関連のテーマとしては、抗菌ペプチド ボンビニンH2,H4のD体アロイソロイシン残基の役割に関して領域内で共同研究をおこなった。VCDの結果から1残基目の側鎖と2残基目の側鎖の関係がH2ではトランス型、H4ではシス型であることがわかった。
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