研究領域 | 理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学 |
研究課題/領域番号 |
16H00853
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (2017) 近畿大学 (2016) |
研究代表者 |
畑中 美穂 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (80616011)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2016年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 自動反応経路探索 / 不斉触媒 / 人工力誘起反応法 / 触媒 / 化学物理 |
研究実績の概要 |
本年度は、酵素を模倣して設計された亜鉛錯体を触媒とする不斉アルドール反応に着目した。多くの不斉触媒は不斉点近傍にかさ高い置換基を持ち、その置換基が基質の接近方向を制御することで立体選択性が発現するとされている。しかし、本触媒の場合、不斉点近傍の置換基がメチル基やエチル基のような小さなものでも、高い立体選択性が発現するという特徴がある。また、配位子の中でも亜鉛を取り囲む12員環の部分を15員環に変えることで、立体選択性がほとんど消失することも報告されているが、その機構は明らかになっていない。そこで、本触媒系の立体選択性発現機構を明らかにするため、自動反応経路探索(GRRM)を用いる解析を行った。 まず、亜鉛錯体の構造を調べるため、GRRMの一つである非調和下方歪追跡法を用いたコンフォメーションの探索を行ったところ、本錯体は非常に柔らかな構造を持ち、複数のコンフォマーが共存していることが分かった。また、多数のコンフォメーションが存在する理由が、配位子の12員環に対して亜鉛のイオン半径が小さ過ぎることにあると分かった。 得られたコンフォマーのうち、特に安定な4つの構造を触媒とした反応経路の探索を、GRRMのもう一つの方法、人工力誘起反応法を用いて行った。特に、立体選択性を決める炭素―炭素結合生成段階の遷移状態に着目し、網羅的に探索したところ、亜鉛錯体の配位子は基質の接近方向をほとんど制御しないが、基質の接近方向によって異なる水素結合を形成するために、遷移状態のエネルギーに差が生じ、一方の立体異性体のみが生成されやすくなっていることが分かった。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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