公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1.金ナノ粒子を用いた1分子計測の位置決定精度の改善:1分子計測における位置決定精度σは、理想的には像(点像分布関数)の広がりsと得られるフォトン数Nで決まる。sは200nm程度であり、1 Åの位置決定精度を達成するには400万個のフォトンが必要となる。しかし実際の計測では、画像のピクセルサイズaが有限で背景光の揺らぎ(標準偏差b)があることから、位置決定精度は理想的条件よりも劣る。我々は、上記のパラメーターを改善することで、波長532nmのレーザーで照明した直径40nmの金ナノ粒子の散乱像において、位置決定精度3Å、時間分解能0.5 msを達成した。2.リニア分子モーターキチナーゼの高位置決定精度1分子計測:キチナーゼの1ナノメートルのステップを可視化することに成功した。また、様々な基質結合状態のキチナーゼのX線結晶構造解析を行った。さらに決定した構造を元に、全原子分子動力学シミュレーションを行った。これらの複合的な取り組みにより、キチナーゼの化学力学共役の素過程の詳細を解明することに成功した。3.金ナノ粒子、銀ナノ粒子を用いたデュアルカラー1分子イメージング法の開発:金ナノ粒子と銀ナノ粒子のプラズモン共鳴の波長が大きく異なる。この性質を利用し、波長404nmと520nmのレーザーおよびデュアルビュー光学系を用いて金ナノ粒子、銀ナノ粒子を区別して同時に観察することに成功した。高速CMOSカメラと組み合わせることにより、ナノメートルの位置決定精度とマイクロ秒の時間分解能を達成した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件)
Phys. Chem. Chem. Phys.
巻: 20 号: 5 ページ: 3010-3018
10.1039/c7cp04606e
Proc Natl Acad Sci USA
巻: 113 号: 40 ページ: 11214-11219
10.1073/pnas.1605640113