公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、イオン液体の作る電気二重層を利用し、近年注目を集めている二次元材料の新物性・新機能を見出すことを目的とする。この固液界面の電気二重層は、特に電気化学の分野では非常に古くから研究されてきたが、電気二重層を形成する材料、すなわちイオン(分子)の構造が与える影響に関しては、あまり意識されてこなかったように思われる。平成29年度はこのイオン分子の構造に着目し、電気二重層の新機能の開拓と、それを用いた二次元材料の新物性探索を行った。具体的には以下の研究を行った。①電気二重層は、非常に大きな静電容量を有するナノギャップのキャパシタとみなすことができる。例えば一価のカチオンとアニオンの組み合わせであるDEME-TFSIを用いた場合、静電容量は典型的には10 uF/cm2程度となる。申請者は、イオン分子の構造をデザインすることで、これまで困難であった電気二重層キャパシタンスの大幅な増強に成功した。分子に繰り返し構造を導入し、イオンの価数を上げることで、電気二重層に蓄積されるキャリア数が増大することがわかった。また、この高容量イオン液体を酸化物半導体をベースとしたトランジスタに適用し、閾値電圧の減少を確認した。②上記①で発見した新しい構造を有するイオン液体を、様々な二次元層状化合物に適用した。特に、FeSe薄膜から電気二重層トランジスタを作製しこの新しいイオン液体をゲート材料として用いたところ、超伝導転移温度の大幅な上昇に成功した。③本新学術領域研究には多くの研究者が参加している。本領域メンバーとの共同研究として、新規二次元材料の電気特性・熱電特性の研究を行った。成果の一部は、「原子層科学最終報告書」として一般に公開されている。今年度に行った研究成果は、国内学会・国際学会等様々な場所で発表した。また、上記①、②は論文とし、③は成果報告書として一般に公開した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
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