研究領域 | 分子アーキテクトニクス:単一分子の組織化と新機能創成 |
研究課題/領域番号 |
16H00954
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 強相関パイ電子系 / ノイズ分光 / 電荷ダイナミクス / プロトン運動 / 量子スピン液体 / 物性実験 / 有機導体 / 強相関電子系 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,平成28年度に構築したバイアス電圧,電流印加状態での電気伝導ノイズ測定システムを使用して分子性電荷秩序絶縁体α”-(BEDT-TTF)2RbCo (SCN)4,ダイマーモット絶縁体β’-(BEDT-TTF)2ICl2におけるバイアス電圧印加下における非線形伝導測定および非線形伝導状態でのノイズ測定を行った.この結果は,海外共同研究者であるドイツの研究グループと解析中であるが,分子内エチレン基の運動,構造変化とパイ電子運動の自由度が結合した振る舞いが見いだされた.さらに本研究で最も重要なターゲットであるプロトン-強相関パイ電子複合系物質κ-H3(Cat-EDT-TTF)2の伝導,誘電特性および熱伝導度を測定した結果,極低温までプロトンの量子揺らぎが存在し,これを起源とする量子常誘電性が表れていることを明らかにした.このプロトン量子常誘電性と連動してパイ電子が示す磁性も秩序化しない量子常磁性状態,すなわち量子スピン液体状態となることが明らかになり,電子とプロトンが連動したダイナミクスを有する新しいメカニズムによる量子液体状態が実現していることを見出した.この結果は,量子スピン液体状態を安定化させるメカニズムとしてスピン自由度に加えて本研究でのプロトン自由度など他の自由度とのカップリングを利用するという新たな指針を提供したという重要な意味があった.これらの結果は,熱伝導度を測定した東大物性研究所グループ,理論研究グループとの共同研究として高いインパクトを持つ雑誌(Nature Commun.)に掲載となった. さらにこの複合自由度が作用している電荷のダイナミクスを本課題で構築した伝導ノイズ測定によるパイ電子ダイナミクス観測,赤外分光測定によるパイ電子低エネルギー励起観測を実施し,それぞれからプロトン運動と連動していると考えられる特徴的な遅いダイナミクスが観測された.
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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