公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、スピン三重項超伝導体として知られている層状ペロブスカイト型ルテニウム酸化物Sr2RuO4について、超伝導薄膜の作製を通じてルテニウム酸化物の超伝導対称性とトポロジカルな超伝導特性を明らかにすることを目指している。電子ビーム加熱により供給されるRuフラックスを精密に制御することにより、Ru/Srフラックス比をはじめとする作製条件の最適化を行い、わずかに異なるフラックス比のもとで作製されたSr2RuO4超伝導薄膜の構造・欠陥・輸送特性を初めて明らかにした(M. Uchida et al., APL Materials (2017))。わずかにRuフラックスを過剰供給した場合に最高転移温度(Tc~1.1K)が観測され、Sr2RuO4薄膜中のRu欠損を抑えることが、超伝導発現に極めて重要であることを示した。また、希釈冷凍機温度においてSr2RuO4超伝導薄膜の上部臨界磁場の角度依存性を詳細に測定し、薄膜化による超伝導特性の変化を明らかにした。特に、擬二次元的な振る舞いの出現に伴って、薄膜において面直磁場方向(H//c)を中心として上部臨界磁場が系統的に増大することを明らかにした。さらに、方位の異なる結晶が人工的に接合されたLSATバイクリスタル基板上に超伝導薄膜を成長することで、Sr2RuO4傾角粒界接合を作製し、典型的なオーバーダンプ的な電流電圧特性を示すジョセフソン接合の測定に成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 12件、 招待講演 2件)
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