配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2016年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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研究実績の概要 |
今年度も不斉配位子をもつパラジウム触媒を用いた1,n-ジエン類の環化異性化による五員環形成反応、およびそれに続く酸化白金触媒を用いた水素添加反応に関して、その条件検討を進めるとともに、様々な基質を用いた反応の検討を行った。まず、各種配位子や溶媒などについての更なる検討を行ったが、エナンチオ選択性の向上はみられなかった。そこで、前年度の検討で見出した対称型含窒素不斉二座配位子を有するパラジウム触媒を用いて、さらなる基質の検討を行った。まず、マロン酸ジメチル骨格をリンカー部位にもつ基質に関して、1,8-ジエンに代えて1,7-ジエンを用いたところ、収率、エナンチオ選択性ともに低下がみられた。一方、メチレン鎖をより長くした場合には、収率の向上がみられ、またエナンチオ選択性もわずかな低下にとどまった。反応はメチレン鎖を1つや2つだけ増やした1,9-または1,10-ジエンだけでなく、6つ増やした1,14-ジエンを用いた場合にも同様に進行し、目的物が76% ee、収率84%で得られた。続いて、異なるリンカー部位をもつ基質の検討も行った。マロン酸ジメチルに代えて、マロン酸ジエチル骨格を用いた場合には、収率、エナンチオ選択性ともにやや低下した。また、メルドラム酸骨格をリンカー部位として用いた場合にも、目的物が68% ee、収率68%で得られた。さらに、マロン酸エステルの還元、誘導体化によって得られるジエステルを用いた場合にも、中程度のエナンチオ選択性で目的の五員環生成物が得られた。
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