公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では前年度(平成28年度)に、ナノ光ファイバー共振器とセシウム原子を用いた全ファイバーキャビティQED系を2台独立に構築したが、ナノ光ファイバー共振器は光ファイバーそのものに作り込まれた全ファイバー共振器であるため、光ファイバーを用いて複数の共振器を低損失に接続できる。この特長を活かし、今年度(平成29年度)は、2台の共振器QED系を1本の光ファイバーで融着接続し、全ファイバー結合共振器QED系を構築した。このような結合共振器QED系の構築は、世界で初めての成果である。(1)いずれの共振器にも原子をロードしない場合(2)1台の共振器のみに原子をロードした場合(3)両方の共振器に原子をロードした場合の3通りについて、弱励起領域での透過スペクトルを測定した結果、複数の共振器QED系がコヒーレントに結合した系における、原子と非局在光子のコヒーレント結合モードの観測に成功した。また、原子と非局在光子の相互作用が、共振器QED系を繋ぐファイバーチャンネルの長さに依存しないことから、非局在光子がファイバーチャンネル光子の成分を含まないことが示された。この成果は、多数の共振器QED系がコヒーレントに結合した大規模量子ネットワークの構築につながり、そのような系における光子の量子多体系の実現や、巨視的量子エンタングルメントの生成、光子の結晶化の観測、光子の量子相転移現象の観測、分散型量子計算への応用といった展開が期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
Sci. Rep.
巻: 7 号: 1 ページ: 12985-12985
10.1038/s41598-017-13309-z
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 56 号: 5 ページ: 058005-058005
10.7567/jjap.56.058005
210000147747
Opt. Express
巻: 24 号: 8 ページ: 8940-8940
10.1364/oe.24.008940