研究領域 | J-Physics:多極子伝導系の物理 |
研究課題/領域番号 |
16H01062
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大串 研也 東北大学, 理学研究科, 教授 (30455331)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
|
配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2017年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2016年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
キーワード | 磁気四極子 / 強相関電子系 / 磁性 / 多極子 |
研究実績の概要 |
2017年度は、奇パリティ多極子秩序を示す電気伝導系に関する「物質開発」と「ドメイン観察」についての研究を実施した。「物質開発」に関しては、梯子型鉄系化合物BaFe2Se3に関する成果が挙がった。BaFe2Se3においては400K付近に構造相転移があることが知られていたが、その詳細は未解明であった。我々は、構造相転移温度以下において第二高調波発生を観測し、マクロな誘電分極が生じていること(電気双極子の強的秩序が実現していること)を明らかにした。その微視的機構は、250K以下で生じるブロック型反強磁性秩序を安定化させる構造歪の導入にある。つまり、400 K以下の常磁性相は、カイラルネマティック相ともいうべき新奇な電子相であることが判明した。「ドメイン観察」に関しては、鉄系超伝導体関連物質BaMn2As2に関する成果が挙がった。BaMn2As2は、625 K以下でチェッカーボード型反強磁性秩序を示すが、磁気空間群を検討すると反強磁性相は磁気四極子の強的秩序と見做せることが分かる。磁気四極子秩序相には、符号が反転したドメイン構造が存在するが、その大きさが未解明であった。我々は、第二高調波発生におけるaxial-iテンソルとpolar-cテンソルの干渉を通して、ドメイン構造を観察することを目指した。その結果、001面において明瞭な干渉効果を見出し、そのイメージングにより磁気四極子ドメインの大きさは0.1~1 mm^2スケールであることを見出した。この成果により、今後のシングルドメイン試料の作製や新奇量子伝導現象の発見への道筋をつけることができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|