多極子遍歴系に対する計算物理学手法の開発: 多軌道クラスター型動的平均場近似

• 研究領域: J-Physics：多極子伝導系の物理
• 研究課題/領域番号: 16H01064
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 理工系
• 研究機関: 埼玉大学
• 研究代表者: 品岡 寛 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40773023)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円); 2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
• キーワード: 動的平均場近似 / 第一原理計算 / 動的平均場近似理論 / 量子不純物問題 / パイロクロア酸化物 / スピネル酸化物 / 多軌道効果 / 多極子遍歴系

研究実績の概要

昨年度に続き、5dパイロクロア酸化物Cd2Os2O7の低温物性の解明に取り組んだ。特に準粒子バンド構造を動的平均場近似に基づき解析することで、実験との比較を行った。YBaCuFeO5においてみられる非従来型のマルチフェロ相の微視的理論を構築した。一方、相互作用展開に基づく連続量子モンテカルロ法のC++コードを開発した。ALPSCoreライブラリの上で構築されたコードであり、多軌道クラスター型の量子不純物問題に対応している。
開発結果は、以下のURLにて、GPLv3ライセンスに基づいて配布されるオープンソースコードとして既に公開されている。
今後、計算アルゴリズムの詳細、使用法をまとめた論文を投稿予定である。
https://github.com/ALPSCore/CT-INT
また、多軌道系に対する動的平均場近似法の計算コストなどの問題を解決するため、最新のデータ科学を計算物理学へ応用する試みを行った。特にスパースモデリングと呼ばれる手法を、量子モンテカルロデータの解析接続に応用する新しい手法を開発した。また、温度グリーン関数の虚時間依存性をコンパクトに記述する物理的な基底の開発した。以上の手法は、上記で述べたソフトウェアへ導入される予定である。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] チューリッヒ連邦工科大学/パウル・シェラー研究所(スイス)
• [国際共同研究] Microsoft Research(米国)
• [国際共同研究] University of Groningen(オランダ)
• [国際共同研究] 国際理論物理学センター(イタリア)
• [国際共同研究] フリブール大学/スイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)
• [国際共同研究] ミシガン大学(米国)
• [国際共同研究] ハンブルグ大学(ドイツ)
• [国際共同研究] エコール・ポリテクニーク(フランス)
• [雑誌論文] Multiferroic Magnetic Spirals Induced by Random Magnetic Exchanges (2018)
  • 著者名/発表者名: Scaramucci Andrea、Shinaoka Hiroshi、Mostovoy Maxim V.、Muller Markus、Mudry Christopher、Troyer Matthias、Spaldin Nicola A.
  • 雑誌名: Physical Review X 巻: 8 号: 1
  • DOI: 10.1103/physrevx.8.011005
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Compressing Green's function using intermediate representation between imaginary-time and real-frequency domains (2017)
  • 著者名/発表者名: Shinaoka Hiroshi、Otsuki Junya、Ohzeki Masayuki、Yoshimi Kazuyoshi
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 96 号: 3 ページ: 1-8
  • DOI: 10.1103/physrevb.96.035147
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Sparse modeling approach to analytical continuation of imaginary-time quantum Monte Carlo data (2017)
  • 著者名/発表者名: Otsuki Junya、Ohzeki Masayuki、Shinaoka Hiroshi、Yoshimi Kazuyoshi
  • 雑誌名: Physical Review E 巻: 95 号: 6 ページ: 1-6
  • DOI: 10.1103/physreve.95.061302
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Continuous-time hybridization expansion quantum impurity solver for multi-orbital systems with complex hybridizations (2017)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Shinaoka, Emanuel Gull, Philipp Werner
  • 雑誌名: Computer Physics Communications 巻: 215 ページ: 128-136
  • DOI: 10.1016/j.cpc.2017.01.003
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Updated Core Libraries of the ALPS Project (2017)
  • 著者名/発表者名: A. Gaenko, A. E. Antipov, G. Carcassi, T. Chen, X. Chen, Q. Dong, L. Gamper, J. Gukelberger, R. Igarashi, S. Iskakov, M. Konz, J. P. F. LeBlanc, R. Levy, P. N. Ma, J. E. Paki, H. Shinaoka, S. Todo, M. Troyer, E. Gull
  • 雑誌名: Computer Physics Communications 巻: 213 ページ: 235-251
  • DOI: 10.1016/j.cpc.2016.12.009
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A spin-freezing perspective on cuprates (2016)
  • 著者名/発表者名: Philipp Werner, Shintaro Hoshino, Hiroshi Shinaoka
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 94 号: 24
  • DOI: 10.1103/physrevb.94.245134
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] 多体グリーン関数の自然な疎表現と計算物理学への応用 (2018)
  • 著者名/発表者名: 品岡寛, 大槻純也, 大関真之, 吉見一慶
  • 学会等名: 日本物理学会第73回年次大会
• [学会発表] 多体グリーン関数の疎表現を与える基底とその性質 (2018)
  • 著者名/発表者名: 近野直也, 品岡寛, 大槻純也
  • 学会等名: 日本物理学会第73回年次大会
• [学会発表] 第一原理計算によるLiV2O4における重い電子挙動の起源の解明 (2017)
  • 著者名/発表者名: 品岡寛, 野村悠祐, M. Harland, A.I Lichtenstein, S. Biermann
  • 学会等名: 日本物理学会2017年年次大会
  • 発表場所: 大阪大学 豊中キャンパス
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] First-principles study of Mott physics in pyrochlore-type oxides (2017)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Shinaoka
  • 学会等名: Trends in Theory of Correlated Materials (TTCM2017)
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 第一原理計算を用いた(Cr1-xFex)2O3の磁気的性質の解明 (2017)
  • 著者名/発表者名: 里野雄基, 品岡寛
  • 学会等名: 日本物理学会2017年秋季大会
• [学会発表] スパースモデリングを活用した量子モンテカルロデータの解析接続～オープンソースソフトウェア紹介および利用事例の紹介 (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉見一慶, 大槻純也, 大関真之, 品岡寛
  • 学会等名: 日本物理学会2017年秋季大会
• [学会発表] Sparse modeling approach to analytical continuation and compression of quantum Monte Carlo data (2017)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi SHINAOKA, Junya OTSUKI, Masayuki OHZEKI, Kazuyoshi YOSHIMI
  • 学会等名: International Conference on Strongly Correlated Electron Systems, SCES 2017
  • 国際学会
• [学会発表] First principles study on pyrochlore systems (2016)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Shinaoka
  • 学会等名: Computational methods towards engineering novel correlated materials
  • 発表場所: スイス連邦工科大学ローザンヌ校
  • 年月日: 2016-10-24
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 5d4パイロクロア酸化物Y2Os2O7の強相関第一原理計算 (2016)
  • 著者名/発表者名: 品岡寛, 山地洋平
  • 学会等名: 日本物理学会2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学 角間キャンパス
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] LDA+DMFT法によるCe1-2-2系化合物の電子構造計算 (2016)
  • 著者名/発表者名: 大槻純也, 播磨尚朝, 酒井治, 品岡寛
  • 学会等名: 日本物理学会2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学 角間キャンパス
  • 年月日: 2016-09-13
• [備考] 業績リスト
  • URL: http://shinaoka.sakura.ne.jp/activity.html