配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2017年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2016年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
研究実績の概要 |
強相関電子系における並進対称性(大きな構造として周期性・準周期性)の役割の解明するため、電子状態の特異性が顕著に表れる希土類を含むTsai-typeクラスター構造をもつ量子臨界物質Au-Al-Yb準結晶・近似結晶や超伝導物質のような強相関電子系準結晶の物性について同じ局所構造を持つ準結晶(準周期)・近似結晶(周期)を作成し、対照実験を行い、準結晶特有の強相関電子物性を明らかにする研究を進めた。 (1)前年の研究でAu-Al-Yb準結晶が静水圧に対し「硬い」量子臨界物質であることと対照的に、Au-Al-Yb近似結晶は圧力に「敏感な」重い電子系の近似結晶であること発見した。そこで、Yb原子の配位原子を置換により変化させて、元素置換効果に着目して準結晶に特有の物性を調べた。Au(Al)をCu(Ga)に部分置換した(Au,Cu)-Al-Yb、Au-(Al,Ga)-Yb準結晶でも準結晶の量子臨界現象は置換効果(化学圧力)に対して「硬さ」を示すことが明らかとなり、準結晶特有の電子状態がAu-Al-Yb準結晶の量子臨界現象・磁性と密接に結びついていることがわかった。 (2)Au-Ge-Yb近似結晶の超伝導の研究を一歩進め、Al-Mg-Zn準結晶において50mKでバルクの超伝導が発現することを明らかにして、準結晶の超伝導の研究の端緒をつかんだ。Nature Communicationsに論文発表し[1]、“ノーベル賞間違いなし、日本発「準結晶超伝導転移」”(伊東 乾, JBpress)のようにニュースとして取り上げられた。 [1] “Discovery of Superconductivity in Quasicrystal” K. Kamiya, K. Deguchi et al., Nature Communications 9, 154 (2018).
|