研究領域 | J-Physics:多極子伝導系の物理 |
研究課題/領域番号 |
16H01084
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
藤森 伸一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, 研究主幹 (70343936)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 強相関電子系 / アクチノイド化合物 / 角度分解光電子分光 / 物性実験 / 光物性 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、アクチノイド化合物において発現する新規量子物性をミクロな電子状態から理解することを目的として、放射光を用いた3次元角度分解光電子分光(ARPES)を利用して、磁性と超伝導が共存するウラン化合物の完全な3次元バンド構造およびフェルミ面を実験的に決定する。従来のARPESでは運動量空間の「線」(1次元)のバンド構造、あるいは「面」(2次元)のフェルミ面で捉えられていた電子構造を、完全な「立体」(3次元)で導出することによって、これまで捉えられていなかった強相関ウラン化合物におけるU 5f電子構造の特徴を明らかにする。 平成29年度は、前年度に開発した3次元ARPES測定システムを常磁性状態の重い電子系超伝導体UPd2Al3に対して適用を行って、その完全な3次元電子構造を明らかにした。UPd2Al3は重い電子系超伝導体であり、比較的大きな磁気モーメントを持つ反強磁性相と超伝導相が共存することから、磁性と超伝導の関係を理解する上で興味深い物質系である。これまでdHvA実験が行われており、c軸方向に伸びる円筒状のフェルミ面が観測されている一方で、他のフェルミ面についてはその形状・位置も含めて明らかになっていない部分が多く、超伝導のノード構造などを考察する際は、バンド計算の結果に頼らざるを得ない状況にある。今回の3次元ARPES測定によって、U 5f状態に起因した明瞭なバンド分散が観測され、特に超伝導に寄与すると考えられている円筒形型のフェルミ面を明瞭に観測することができた。また、他にもフェルミを形成していると考えられるU 5fバンドが複数観測されており、詳細な解析を進めている。UPd2Al3の電子状態は非常に3次元的で、複雑であることが明らかとなり、今後バンド計算等との比較を進めて、超伝導発現に寄与するフェルミ面の特定に繋げる。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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