公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
前年度には、2003年に起こったハロウィーンイベントのオゾン層に及ぼす影響を、国立環境研究所の化学気候モデルを用いて計算し、The Michelson Interferometer for Passive Atmospheric Sounding(MIPAS)によって得られた観測データと比較し、イベント中・後の約2週間程度の期間で両者を比較し、良好な結果を得、これによってモデルの検証を行うことができた。今年度は、同じモデルを用いて1859年8月28日に起こった巨大太陽プロトンイベント(キャリントンイベント)のオゾンへの影響を調べた。キャリントンイベントによって極域の地球大気に侵入したプロトンによって引き起こされる大気のイオン化率のデータから、それによって生成されるNOxの量を推定し、それを化学気候モデルの両極域(北緯60-90度、南緯60-90度)にインプットして計算を行った。2003年に起こったハロウィーンイベントのシミュレーションとは違って、当時の全球の気温や風のデータがないので、当時予想される二酸化炭素濃度、塩素化合物濃度、海水面温度を設定した計算を行った。また、大気微量成分の違いによる影響の違いを調べるため、大気中の塩素濃度がピークに達した2000年の二酸化炭素濃度、塩素化合物濃度、海水面温度を設定した計算も行った。特に、オゾン全量への寄与の大きい下部成層圏オゾンへの影響を調べたところ、塩素量が増加することによって、下部成層圏オゾンへの影響(オゾン減少)が拡大することがわかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (12件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Atmospheric Chemistry and Physics
巻: 18 号: 2 ページ: 1091-1114
10.5194/acp-18-1091-2018
Geosci. Model Dev.
巻: 10 号: 2 ページ: 639-671
10.5194/gmd-10-639-2017