研究領域 | 植物発生ロジックの多元的開拓 |
研究課題/領域番号 |
16H01248
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
藤田 浩徳 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 助教 (10552979)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2017年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2016年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 自己組織的パターン形成 / 数理モデル解析 / 植物発生 / 根系構造制御 / パターン形成 / オーキシン / 花芽原基whorlパターン / オーキシン極性輸送 / 葉序パターン / 花原基whorlパターン形成 / ABCモデル / 数理生物 / 数理モデル |
研究実績の概要 |
植物は土壌中に分布する栄養分を効率良く吸収するために、栄養環境に応答してその根系の構造および形態を大きく変化させる。窒素栄養は、植物にとって必須の栄養素の一つであり、根の成長に大きな影響を与える。例えば、側根の成長は低濃度の硝酸で促進されるのに対し、高濃度では抑制される。しかしながら、このような制御機構がどのようにして適応的に形成・進化してきたのかに関しては、現在ほとんど理解が進んでいない。そこで根の形成・維持にかかるcostと窒素栄養の吸収によるbenefitに基づいた適応度に関する数理モデルの構築および解析を行なった。 最初に、吸収された窒素栄養が全てbenefitに反映される場合、窒素栄養は常に根の成長に対して促進的であることが示唆された。この結果は、低濃度の促進効果をうまく説明できるのに対し、高濃度での抑制効果は説明できない。一方で、benefitに上限を導入することによりその両方の効果をうまく説明できる。このことは、高濃度の過剰な窒素栄養は必ずしも植物にとって有用ではないことが、植物の応答において重要であることを示唆している。 次に、モデルを空間的にheterogeneousな条件に対して拡張を行なうことにより、不均一な窒素栄養に対する植物の応答機構の理解を試みた。モデル解析により、高濃度窒素条件において、systemic(全身的)制御が必要となり、これは根の成長に対し常に抑制的に働くことが示唆された。このモデル予測は、シロイヌナズナ用いたsplit-root実験により支持された。またモデルにより、窒素栄養が空間的に局在するほど、根の成長は促進されることが予測され、この予測も実験的検証により支持された。これらの数理モデル解析の結果は、高濃度窒素によって誘導されるsystemicな制御機構は、過剰な窒素栄養に対する適応として進化してきたことを示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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