研究領域 | 多様性から明らかにする記憶ダイナミズムの共通原理 |
研究課題/領域番号 |
16H01292
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 (2017) 国立研究開発法人理化学研究所 (2016) |
研究代表者 |
林 康紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (90466037)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
|
配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2017年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2016年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
キーワード | 記憶学習 / 報酬 / セルアセンブリ / 仮想現実空間 / 二光子顕微鏡 / 海馬 / 記憶痕跡 / 記憶固定化 / カルシウムイメージング / 報酬学習 |
研究実績の概要 |
動物は無意識に重要な場所を覚える性質がある。海馬の場所細胞は場所をコードし、認知地図を作成するために重要な役割を果たす。このことから、重要な場所を他の場所と切り分け学習するために、海馬CA1の神経細胞群がどのような動態を示すか知られていない。我々は、顕著な情報を持つ緑色のゲートと視覚的情報の低い場所に報酬を設置した仮想直線路を作成した。この直線路を探索中に海馬CA1の活動を調べ、場所細胞を同定し認知地図がどのように形成されていくか調べた。場所細胞の数はゲートと報酬地点で顕著に増加しており、学習初期から報酬地点の場所細胞は増加する一方、ゲートの場所細胞は学習と共に増えていった。またそれらの場所細胞は学習と共に安定していった。学習による報酬地点とゲートの場所細胞の増加は、非場所細胞からの直接形成や学習時の他の場所細胞からの補填などではなく、それらの場所細胞の安定性が他の場所と比較して高いためであることがわかった。したがって、認知地図内の顕著な情報のある場所を作成するためには、場所細胞の安定性が重要であることが明らかになった。 報酬地点の場所細胞は単に報酬に応答するのか、報酬の場所を表現するために発火するのか疑問が残る。そこで、報酬地点で報酬を半分の試行で取り除いた。その報酬の有無はマウスに予測されないようにランダムに設定した。場所細胞の中には、報酬有無に関わらず報酬場所をコードする細胞、報酬のあるときに反応する細胞、報酬を期待し発火する細胞があることがわかった。また、報酬がある試行のみで場所細胞として同定されるものが多く存在していたが、無報酬試行でも発火するものがあった。この細胞の一部は、報酬試行では報酬を得ると発火が消失するが、無報酬試行では活動は延長してた。このことから報酬地点の場所細胞はいくつかの要素依存的に活動する別々の機能を持つ細胞が存在していることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|