公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究計画では、表皮ケラチノサイトを活性化させ乾癬を惹起する新規生理活性脂質であるアルケニル型リゾリン脂質の側鎖および極性基の構造上の違いを「リポクオリティ」と捉え、疾患における産生と受容を総合的に精査することで、アルケニル型リゾリン脂質の動作原理の解明を目指した。以下に本年度の研究実績を示す。1.乾癬やアトピー性皮膚炎を惹起させたマウスの角質の網羅的脂質メタボローム解析をおこなった。その結果、エタノール型リゾプラズマローゲン(P-LPE)が病態に応じた産生を示し、本脂質が表皮肥厚性疾患のバイオマーカーとなることが示唆された。さらに、好熱性放線菌から単離されたリゾプラズマローゲン特異的ホスホリパーゼD(LyPls-PLD)はP-LPEをリゾホスファチジン酸型(P-LPA)に代謝することを明らかにした。このLyPls-PLDを乾癬を惹起させたマウス耳介に外用塗布すると、耳介中のP-LPEがP-LPAに代謝され、乾癬が緩和されることを見出した(特願2017-100149)。2.様々な病態疾患への展開アルケニル型リゾリン脂質の全体像を捉えることを目的として、様々な病態疾患を対象としたリピドミクスを推進し、病態に応じた変化を捉えることができた。本件で得られた知見を理論基盤に今後の研究を展開していきたい。3.分泌性ホスホリパーゼA2のうちsPLA2-IIIがリゾリン脂質の動員を介して大腸炎を増悪することを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
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