公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
生体高分子や代謝産物などを標的とした蛍光イメージングは非侵襲的に細胞や個体を観察可能なことから,それまで明らかでなかった細胞内イベントを解明することに役立っている。ゲノム編集技術は主にゲノム上の標的配列を特異的に切断するヌクレアーゼの作用によって修復時に変異が導入され,タンパク質のノックアウトに利用される。ここ数年でのCRISPR-Cas9の開発によって従来と比較して研究期間の大幅な短縮が実現されている。また,ゲノム上でのタンパク質配列の改変などこれまでとは異なる利用方法の実現が望まれている。本研究ではゲノム上の標的タンパク質遺伝子にタグ遺伝子を導入して,恒常的なタンパク質発現という条件下での観察手法を開発する。そのために,蛍光イメージング法とゲノム編集技術を組み合わせた,より高精度なタンパク質挙動観察の手法を確立する。これまでに開発してきたタグ-プローブシステムはタンパク質に遺伝子工学的に導入することができ,タグ-プローブペアの会合とほぼ同時に蛍光の増大が見られる。この特長を利用してタンパク質蛍光イメージングの問題点を克服するシステムを構築する。本年度は従来タグ配列として用いてきた二本鎖へリックスに環境応答性蛍光基NBDを導入し,より低分子量の1本鎖へリックスをタグ配列とするシステムの可能性を検討した。タグペプチドによる標的タンパク質機能への影響を抑制するためである。このシステムにおいてもストップトフローを利用した測定によって1秒以内での蛍光増大が確認され,細胞内にタグ融合型タンパク質を発現させた場合,プローブの導入によってタンパク質の局在解析が可能であることが示唆された。今回は核内に局在するヒストンタンパク質H2Bを対象としたが,細胞内,細胞膜表面などで発現するどのようなタンパク質にも利用できると期待できる。また,ゲノム上へのタグ組込みの可能性を引き続き検討する。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 4件、 オープンアクセス 7件、 査読あり 8件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 8件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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