研究領域 | こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて― |
研究課題/領域番号 |
16H01513
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2016年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 時制 / 視点取得 / 基準時刻 / 事象時刻 / 時間情報処理 / 脳波 / 発生源推定 / 事象関連電位 / ダイポール推定 / 脳の時間地図 / 時間視点取得 / 試行間位相同期 / mental time shift / 発話時刻 |
研究実績の概要 |
本研究は、豊富な時間表現を持つ言語を実験材料とし、脳波計測を主な手法として時間認知の脳内表現を検討した。 特に最終年度は、ヒト視点と時間についての視点取得の神経基盤を脳波計測実験によって検討した。視点取得は、他者の視点から物事を観察し、他者の感情に共感する能力で、人間の社会的行動の基盤の一つである。視点取得または「心の理論」は独立した心的機能だと考えられていたが、近年の脳機能計測研究は、他者の心的状態を内的に表現する"mentalizing"と視点取得が異なる心的機能であることを示している。さらに、最近のfMRIの知見は視点取得が時間情報処理と空間情報処理の統合機能である可能性を示唆している。そこで、本研究では、日本語の授受動詞「あげる」「くれる」を利用し、時制表現との組み合わせで、ヒト視点移動の有無と過去/非過去の対比を独立に操作した日本語実験文を作成した。ヒト視点移動と時間情報処理それぞれについて、固有の神経活動が観察されれば、両者が独立した心的機能であることが示唆される。実験文を聴覚呈示し、文理解に伴う脳波を解析した結果、ヒト視点取得に特徴的な神経活動は脳波のベータ帯域の信号減衰であった。また、ヒト視点移動を伴わない文について、過去時制文の理解についての神経活動を非過去時制の文と比較した結果、過去時制文についてベータ帯域の信号減衰が観察された。ヒト視点移動と過去時制文におけるベータ帯域の信号減衰は相補的な関係にあり、両者が深い関わりにあることを示唆していて、視点取得が時間処理を含む下位処理の統合過程である可能性を示している。また、発生源推定の結果、過去の解釈に関わっている脳領域は楔前部で、楔前部が時間処理に深く関わっていることを示している。また、時間認知と楔前部の関わりについてはfMRIの知見と合致している。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|