研究領域 | 非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解 |
研究課題/領域番号 |
16H01604
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 宏知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (90361518)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2017年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2016年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 聴覚野 / 視床 / 電極アレイ / 聴覚 / 微小電極アレイ / 活動パターン / 聴知覚 / 移動エントロピー / 情報 / 同期 / 脳 / 情報流 |
研究実績の概要 |
本研究では,微小電極アレイを用いて,視床・聴覚野の活動を同時計測し,両領野の相互作用による発振パターンと情報流を関連付け,聴知覚と発振現象の因果性を検証することを目的に進めた.本年度の成果として,第一に,ラット頭部に固定具および電極アレイを埋め込み,頭部を固定した状態で覚醒・行動下の脳活動を慢性計測できる実験系を構築した.実際の実験では,ラットにレバーを操作させて,知覚を報告するように訓練した.これらを用いて,ラットの可聴閾値音圧を調べ,閾値付近でのラット聴覚野の神経活動を調べた.その結果,知覚を報告した試行では,知覚を報告しなかった試行とは異なり,長潜時の緩反応成分を認めた.このように,新たに設計した実験系により,意識に上る聴知覚に関わる神経反応を同定できた.第二に,多点同時計測した脳活動パターンの解析手法として,力学系理論に基づいた時間遅れ再構成法を開発した.この数理的手法により,脳の自発活動の時空間パターンを解析し,自発活動が同期バースト状態になる前に,個々の神経細胞の活動パターンに将来の自発同期バーストを予測する「予兆」が隠されていることを示した.その予兆の特徴として,周囲の細胞と強く結合した興奮性の細胞の活動に認められること,瞬間的な活動の強さだけではなく,各神経細胞の活動の時間的なパターンが重要であること,ネットワーク全体の平均的な揺らぎをみるよりも,特定の1つの細胞の活動に注目した有効であることなどを明らかにした.ここでは脳の自発活動を研究対象としたが,将来的にはてんかん発作の高精度な予測や意識に上る知覚を生み出す情報処理を制御する方法に応用できる可能性がある.
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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