公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
視床網様核(TRN)は、膨大な感覚入力を受け取る視床から大脳皮質へ伝える情報を選別(sensory gating)する「門番」と言われる。TRN 活動が、賦活化する脳部位を決定し、脳広域ネットワーク活動を規定している可能性がある。実際にTRN は入眠時に発振(スピンドル波;~10 Hz)し、大脳皮質間で同期したスピンドル波を形成することが知られている。TRN(神経核)と脳広域ネットワークという異なる階層間の関係性を明らかにするには、それぞれの活動を計測する必要がある。我々は、覚醒マウスを用いたfMRI 撮像法を確立し、覚醒安静時のマウス脳にデフォルトモードなどの「低周波数(<0.1 Hz)活動で類別される“脳広域ネットワーク群”」を見いだした(Yoshida et al. 2016 J Neurosci Methods)。さらに「光ファイバー蛍光測定装置」をオリンパスと共同で開発し(Natsubori et al. 2017 J Neurosci)、Ca2+感受性蛍光蛋白質がTRNに発現するマウス(PV/YCマウス)を作出してTRNの「集合Ca2+活動」を計測した。これらの結果、安静時にTRNが低周波数(<1 Hz)発振していることを発見した(高田則雄 2018 第41回日本神経科学会で発表予定)。そこでTRN活動(集合Ca2+活動)が全脳活動(fMRI信号揺らぎ)を規定しているのか実証するために、本研究では「光ファイバー蛍光測定」と「覚醒マウスfMRI」とを融合させた系を構築した。この計測系に対してPV/YCマウスを適用した計測を行った。現在、TRNの発振活動と脳広域活動の時空間分布との関連を解析中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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