公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、感覚神経による骨格筋の恒常性維持機構を解明するために、特に筋サテライト細胞とネットワークに着目し検討を行った。1.感覚神経は筋サテライト細胞の増殖・分化を誘導する骨格筋の恒常性には骨格筋幹細胞である筋サテライト細胞が重要な役割を担っている。本研究ではまず、メカニカルストレスによる筋サテライト細胞の反応を検討するために、尾懸垂モデルにおいてカルディオトキシン(CTX)による筋再生を評価した。その結果、後肢免荷により骨格筋再生は顕著に抑制された。これは、筋サテライト細胞の活性化には重力刺激が必須であることを示唆している。後肢免荷では、早期に感覚神経の有意な低下が生じ、これは筋サテライト細胞の減少に先んじて生じることが示された。興味深いことに、感覚神経の減少と同時期に血管系が減少していることも明らかとなった。加えて、感覚神経障害マウスでは、筋再生時の筋サテライト細胞数が減少し、筋再生が顕著に抑制された。これらの結果は、生体において、感覚神経と血管系がネットワークを形成し、筋サテライト細胞の増殖、分化を制御していることを強く示している。2.感覚神経は骨格筋の筋線維変化を制御する申請者らは、本研究において新たな感覚神経障害モデルを樹立した。本モデルでは、微小重力下と同様に、抗重力筋おいて骨格筋線維が速筋化することを見出した。このことは、感覚神経が筋線維の恒常性に重要であることが示され、本モデルマウスを詳細に解析することで未だ明らかでない筋線維変化のメカニズム解明に大いに貢献すると思われる。興味深いことに、本モデルマウスでは、骨格筋における血管系の発現が低下することも認められた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件)
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