公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
前年度までの研究で、新世界ザル・コモンマーモセット側頭視覚皮質の上側頭溝底部腹側領域(FSTv)に光沢素材(ガラスおよび金属)に選択的な応答を示す神経細胞集団がクラスター状に固まって存在することを方向した(Miyakawa et al. 2017)。また逆行性蛍光トレーサーを用いてFSTvへ投射する脳部位をin vivoで観察し、同定した投射領域のうちMT crescent(MTc)においても光沢応答を示すニューロンがコラム状に存在することを確認した。MTc光沢選択性神経細胞群の応答は、低次元な画像特徴量の線形的な組み合わせで説明できる成分がFSTvよりも大きいことを見出した(Miyakawa et al. 北米神経科学学会発表2016)。FSTvの神経細胞の光沢選択性がMTcから入力に依存するかを確認するため、この投射軸策の発火活動を光遺伝学の手法を用いて抑制する実験を行った。光抑制性機能たんぱくArchaerhodopsin TP009(ArchT)をMTcに導入し、FSTvへ直接投射する神経繊維を光抑制したところ、光沢刺激特にガラス画像に対する視覚応答が抑制される傾向が見られたが、統計的に有意なレベルには至らなかった。FSTvの光沢選択性に影響を及ぼすMTc以外の経路を確認するため、それぞれの領域に逆行性色素と順行性色素を注入し、形態学的手法で投射を確認した。FSTvはSTPやTFといった領域から非常に強いフィードバック型投射を受けており、またMTc→TE3→FSTvといったMTcからの間接的な入力経路も見受けられた。これらのことから、FSTvの光沢選択性は腹側視覚野内の複数の経路における情報処理で形成されている可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 6件)
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