公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
南米アンデス地域では神殿(大規模祭祀建築)の登場が文明形成の始まりとされる。2018年度は当初の計画通り、ペルー中部山地のワヌコ盆地にてコトシュ遺跡を発掘し、「①神殿の起源と地域社会の発展について」「②文明形成期の高精度編年」を研究した。コトシュ遺跡と、2017年度に発掘したハンカオ遺跡は、文明形成期の中の早期(先土器段階)から末期まで、すべての時期の遺構が積層したマウンド遺跡という、アンデス文明の諸遺跡の中でも例外的な特徴を共有している。コトシュでは2016年に、主として先土器段階の建築の変遷と年代測定を目的として発掘を実施し(課題番号15H00713)、ハンカオ遺跡では2017年に、すべての時期の文化層の重なりを確認した。2018年のコトシュ遺跡の再発掘は、土器導入後の編年の精緻化を主目的としたもので、編年の検討に十分な量の土器資料、および年代測定用の炭化物を集めることができた。炭化物の採取は東京大学総合研究博物館放射性炭素年代測定室との連携のもと行われ、測定が進行中である。また代表者は、同じく代表をつとめる「古代アンデスの農村と神殿:古環境における生態資源利用と社会変化の研究」(課題番号17H04532)において、ペルー北部モスキート遺跡の文明形成期の遺跡群を調査しており、双方を比較する視点から成果発表を行った。また現在のワヌコの人びとと文化財の関係を調査することも研究課題であり、半世紀以上にわたって日本人研究者が中心となってワヌコの考古学を牽引してきたことをふまえ、地域社会との関係をテーマとして日本のアンデス考古学の歴史を整理し、論考を複数発表した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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古代アメリカ
巻: 21 ページ: 1-25
『日本考古学・最前線』日本考古学協会編
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考古学研究
巻: 259 ページ: 123-125
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月刊考古学ジャーナル
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