公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
新人の分布がアフリカからユーラシアに拡大したのは、約60-50 kaと考えられ、アラビア半島からバイカル湖に至る北ルートは、ユーラシア拡散の主要な移動経路とひとつとされている。新人がバイカル湖周辺に到達したのは約45-35 kaとされており、新人と旧人が交錯した場と時代の陸域環境復元は、人類進化の理解の上で重要である。本研究はモンゴル北部・ダラハド盆地の湖成層コアDDP10-3に関して、非破壊μ-XRF化学分析、XRD分析、粒度解析を行い、過去120 kaの環境変動復元を行った。結果、約90-75 kaと約40-15 kaで顕著な炭酸塩の欠乏が認められる。ダラハド盆地は、盆地北西部のShishhid渓谷における山岳氷河の発達により、氷期に氷河堰止湖(氷河湖, 水深約200 m)の形成が地形調査で確認されており、今回得た2つの期間は寒冷化に伴う山岳氷河の発達とそれに伴う氷河湖が成立していた時期と見なことができる。また、約50-10 ka におけるMn含有量の増加は、寒冷化に伴う鉛直混合の強化で、溶存酸素濃度の増加によって説明することができ、氷河湖成立を支持する。堆積物中の粒度は、約75-15 kaで一時的に粗粒化を示し、数千年間隔で生じた北大西洋地域の数百年~数千年スケールの急激かつ突発的な変動とおおよそ対比することができる。これは急激な温暖化に伴う山岳氷河や永久凍土の融解を意味すると思われる(Katsuta et al. 2017)。退氷期におけるDDP10-3堆積物には、約13.8 ka以降から方解石の年縞が発達する。これは、湖水位が低下し、塩濃度が上昇したことに起因しており、その年縞計数は約270枚(年)であった。従って、大陸内における最終氷期から完新世への移行は、氷床や深海コアで観察される14.8-11.5 ka(3200年)に比べて急激に生じたと推察される。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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