研究領域 | π造形科学: 電子と構造のダイナミズム制御による新機能創出 |
研究課題/領域番号 |
17H05143
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 熊本大学 (2018) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
上田 顕 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (20589585)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 有機伝導体 / 水素ダイナミクス / 電荷秩序 / 非線形伝導 / 水素結合 / π電子 / 物質開発 / 相転移 / 圧力効果 / 水素移動 / 有機導体 / 分子性固体 / 結晶成長 / 合成化学 / 強相関電子系 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度開発に成功した対アニオンを含む水素-π電子系有機伝導体のさらなる探索、構造・物性調査を主として行った。まず、様々な対アニオンとの電解結晶化を検討したところ、前年度得られたBF4塩に加えて、ClO4ならびにReO4アニオンとの塩を新たに得ることに成功した。これらのアニオンはいずれも四面体型の構造を有しており、得られた塩は類似した結晶構造を構築していた。すなわち、電子ドナー分子の末端ヒドロキシ基と対アニオンの間には水素結合が存在し、また、ドナー分子同士の分子間相互作用(π-π、S...S)により2次元的な電気伝導層が形成されていた。電気抵抗率測定の結果、BF4塩とClO4塩は低温下において半導体-絶縁体転移を示したのに対し、ReO4塩は室温から低温に至るまで半導体的なふるまいを示した。結晶構造をより詳細に調べたところ、前者は低温下で電荷秩序転移し、絶縁体化する一方で、後者は室温から弱く電荷秩序化した状態にあることが示唆された。対アニオンのサイズの違いに由来する化学圧力効果によりこれらの違いが生じたものと考えられる。興味深いことに、前者における電荷秩序転移において、ドナー分子の電子状態(価数)だけではなく、水素結合部も構造変化していることが示唆され、π電子と水素結合がカップルした新しい相転移現象を見いだすことに成功したと考えている。 この研究と並行して、以前開発に成功した対アニオンを含まない水素-π電子連動系物質の非線形伝導特性の調査を行った。ヒステリシスを有する珍しい負性微分抵抗を見いだすことに成功し、水素のダイナミクスに基づく新しい現象であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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