公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究の目的は、ステレオ内視鏡により得られるRGB画像およびデプス画像、ならびに、光学式3次元計測情報を適切に処理・融合することにより、手術支援ロボットの自律レベル向上に貢献できる様々な術中センシング技術の開発を行うことである。平成30年度の実績は以下のとおりである。(1)29年度に開発したRGB内視鏡画像のみを用いる手術器具追跡の基本アルゴリズムをベースとし、さらに、デプス画像を用いることにより、互いに重なり合う複数の手術器具を区別して追跡する画像処理手法を新たに開発した。また、デプス画像を用いた領域拡張法に基づく手術器具と臓器の接触推定手法の開発も行った。(2)29年度に開発した手術器具の高精度画像合成手法を用いて、臓器牽引(カウンタートラクション)時における手術器具先端荷重推定システムの新規開発を行った。手術器具が臓器を牽引するとき手術器具がたわむため、手術器具を直線とみなしてその先端の座標値を画像合成した結果と、画像処理により検出した手術器具先端位置にズレが発生する。このズレを利用することで、手術器具先端荷重を推定できることを示した。(3)29年度に引き続いて様々な内視鏡手術視野評価指標の設計を行い、内視鏡把持ロボットを用いた被験者実験により、その有用性の検討を行った。結果として、「あるヤコビ行列の行列式の絶対値」が視野評価指標として最も有効であることが示唆された。このヤコビ行列は、ステレオ画像処理による手術器具先端座標と3次元計測装置を用いた被験者の上肢関節角度の推定結果の時系列により計算できる。(4)29年度に開発したステレオカメラと3次元計測装置の併用に基づく器具中心軸と臓器表面の交点の算出アルゴリズムをベースにして、手術器具先端から臓器表面までの距離(挿入方向距離)の推定手法、ならびに、手術器具の方向制御手法の手術支援ロボットへの実装と制御性能評価を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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