公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
(1)キダチアロエ由来のⅢ型ポリケタイド合成酵素(PKS)であるオクタケタイド合成酵素(OKS)とアサ由来オリベトール酸閉環酵素(OAC)の共反応液に、ブチリルCoAとマロニルCoAを基質として作用させた場合の反応生成物について評価した。その結果、まず、OKSが1分子のブチリルCoAと7分子のマロニルCoAから新規パイロン誘導体を生産することが判明した。さらに、興味深いことに、OACがOKSの酵素反応液に共存すると、その新規化合物の生成量が約1.5倍増加することが確認された。このことから、OACは、プロピル基を有するポリケタイドCoAを基質として受け入れることが明らかとなった。これまでOACは、ペンチル基を有するポリケタイドCoA以外は基質として受け入れることができないと考えられていたが、本結果は、OACが他の長さのアシル基を有するポリケタイドCoAを基質として受け入れる可能性を示している。現在、他の長さのアシル基を有するポリケタイドCoAに対するOACの基質特異性について再評価を行っているところである。(2)昨年度に引き続き、OACのホモログ酵素と目される植物由来AtHS1及びPOP-3のポリケタイド閉環酵素としての機能について検討したが、いずれの基質を用いても、酵素反応生成物を確認することができなかった。現在、これについては、酵素反応条件の最適化を行っているところである。(3)領域横断型共同研究として、当該研究領域の研究者らが新たに見い出した酵素の結晶構造の取得と詳細な触媒機構の解明を試みた。その結果、アセチルCoAとマロニルCoAを基質としてオルセリン酸の生合成に関与すると想定されるエゾムラサキツツジ由来新規Ⅲ型PKSのX線結晶構造の取得に成功し,その基質特異性や生産物特異性が,活性中心キャビティーの形状と大きさに極めて依存していることを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 11件、 招待講演 11件) 備考 (2件)
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