配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2018年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2017年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
研究実績の概要 |
本研究では、単一方向の電磁波を用いて、粒子の動く方向を自由に操ることを目的とした。 詳しくは、ナノ光ファイバー中の電磁波モードを2つ生成して、モードの干渉により方向を自由に動かせるポテンシャルを実現する。ポテンシャルにトラップされた粒子の動きもこの方法で操ることができる。 今回の研究の1つの大きな成果はファイバ表面上の粒子から方向的な散乱光の測定だった。 この結果は[M. Sadgrove, et al. Scientific Reports 7, 17085 (2017)]の論文にて報告した。単一金ナノ粒子をファイバ表面上に導入して、任意偏光を有している光ビームを照射した。すると、偏光状態により、ファイバに結合する光95%以上が右のファイバ先端又は95%以上が左のファイバ先端に伝搬する。この効果を用いれば、光の偏光により方向的な輻射圧を実現することができると思われる。また、こういう効果の原理はモード干渉として解釈できる。現在、以上のような方向的な光圧効果の観測を目指している。 2018年、以上の結果を含むレビュー論文を作成した[K.P. Nayak, M. Sadgrove, et al., Journal of Optics 20, 073001 (2018)]。この招待論文には重要なナノファイバ関係の結果をまとめ、多くの物理学研究者が読書できるフォーマットで掲載することを目的とした。 さらに、2018年度の第74回年次大会日本物理学会でナノ粒子と量子ドットの研究結果(M. Sugawara et al., 16PK201-3),ナノファイバ上のリポソーム輸送の結果(T. Yoshino, et al., 16PK201-4)及び金ナノロッドと冷却原子の研究結果(M. Sadgrove, 16PK201-5)を発表した。
|