公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、ナノ物質に働く光圧のポテンシャル解析における問題点(1. 短い光捕捉時間、2. 微弱なプローブ信号)を解決するために、マイクロ粒子を対象とした光捕捉ポテンシャル解析を活用することにより、ナノ物質に作用するフェムトニュートンオーダーの光圧を精密測定する手法を世界に先駆けて開発するものである。本年度は、昨年度に開発した光駆動マイクロマシンによるナノ物質に働く光圧計測法を発展させ、さらなる力感度向上させるため、アクティブフィードバックによる光捕捉ポテンシャル制御法を開発した。具体的には、ポテンシャル深さが数kTになる低い光強度でマイクロプラットフォーム(MPF)を捕捉し、低いバネ定数(高い力検出感度)のポテンシャルを形成した。次に、CMOSカメラで撮像したMPFの位置をマルチスレッド処理によりリアルタイムに高速解析し、設定した捕捉領域から外れる場合に、電気光学素子(EOM)で光強度を上げてMPFに働く捕捉力を一時的に増大し、捕捉領域に戻すというフィードバックを行った。このようなMPFが感じる光場を高速に制御するシステムを開発し、従来法では難しかった高い力感度と長時間捕捉(高SN比)を併せ持つ捕捉ポテンシャルを実現し、原理的には10fN程度の力計測が可能であることが見積もられた。また、このフィードバックによるポテンシャル形状の制御を有限差分法でシミュレーションし、実験結果から光圧を正確に解析する方法を検討した。さらに、本手法の光圧計測における有効性を示すために、従来法では難しかったナノロッドに働く光トルクの定量計測を行った。現在のことろ、ナノロッドを中心に配置したMPFの光捕捉ポテンシャル計測に成功し、170pNnm/mradのバネ定数で30pNnm以上の分解能が得られることを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
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