公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成29年度には、脂質二分子膜から成るリポソームをモデル小胞として用い、これを光圧によりガラス基板上に捕集できることを明らかにした。さらに、捕集効率を向上させるために、溶液に金ナノ粒子を添加する方法を検討し、金ナノ粒子が捕集効率を顕著に向上させることを発見した。しかしながら、金ナノ粒子による捕集効率向上の機構は明らかではなかった。そこで平成30年度には、金ナノ粒子存在下での光圧によるリポソームの加速現象を直接観察し、その機構の解明を目指した。光圧により加速されたリポソームの速度は、金ナノ粒子の濃度の増加とともに大きくなることがわかった。リポソームと金ナノ粒子の相互作用を制御するために、両者の表面電荷を制御して実験を行ったところ、金ナノ粒子とリポソームが互いに反対の電荷をもつときに、最も大きな速度が得られることを発見した。したがって、静電的に金ナノ粒子とリポソームが結合することで、大きな速度が得られることがわかった。すなわち、陰イオン性の金ナノ粒子を用いた場合、陽イオン性のリポソーム、中性のリポソーム、陰イオン性のリポソームの順に速度が大きくなり、陽イオン性の金ナノ粒子を用いた場合には逆の順序となった。このとき、金ナノ粒子とリポソームが同じ電荷をもつ場合でも速度の増加が確認されたことから、疎水性相互作用も両者の結合に関与していることが示唆された。また、金ナノ粒子のサイズもリポソームの速度変化に影響を与えることを見出した。これらの検討結果から、金ナノ粒子の表面電荷、サイズ、濃度を制御することで、エクソソームの捕集効率を向上できることが明らかとなった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 8件、 招待講演 10件) 図書 (1件)
The Chemical Record
巻: 19 号: 2-3 ページ: 452-461
10.1002/tcr.201800051
120006733900
Analytical Methods
巻: 11 号: 2 ページ: 179-184
10.1039/c8ay02298d
120006769745
Applied Spectroscopy Reviews
巻: XX 号: 2 ページ: 117-141
10.1080/05704928.2018.1457045
120006775069
Talanta
巻: 190 ページ: 78-84
10.1016/j.talanta.2018.07.056
Analytical Sciences
巻: 34 号: 1 ページ: 65-70
10.2116/analsci.34.65
130006306746
ACS Omega
巻: 3 号: 3 ページ: 2527-2531
10.1021/acsomega.8b00033
巻: 2 号: 10 ページ: 7329-7333
10.1021/acsomega.7b00998