公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
個々の原子・分子を固体基板上に自在に配置し、デザインした機能を発現させる事は基礎科学のみならず応用を見据えた研究展開においても重要な課題である。ボトムアップのアプローチとしての走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた分子操作は広く発展してきているが、STMと光圧を組み合わせた “光”分子操作は実現されていない。本研究の目的は、分子固有の共鳴吸収線を活用してSTM環境下で光分子操作を実現する事である。固体基板上で分子の光マニピュレーションを実現するためには、分子固有の遷移エネルギーに共鳴する光を照射する事が必要である。昨年度導入した波長可変レーザーをSTMに導入する際のレーザー照射システムを改良し、マイクロメートルの精度で精密に焦点を合わせられる機構を整えた。これにより、昨年度までの100倍近い効率でシグナルを検出することに成功した。また、この照射システムの改良の結果、熱的な効果を大きく抑制した条件下において、基板上で分子を移動させることに成功した。また、単一分子への光圧印加の物理を解明できる基盤として、分子固有の共鳴エネルギーを精密に計測できるシステムを構築する必要が顕在化し、LabVIEWを用いた計測システムの開発を継続して行っている。昨年度着手した、理論研究者との共同研究も加速させている。より実験条件に近い三次元的な金属構造をモデルとして用い、異方性のある分子に印加される光圧のシミュレーションを行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 5件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
Nano Letters
巻: 19 号: 5 ページ: 2803-2811
10.1021/acs.nanolett.8b04484
Nature
巻: 印刷中
Physical Review Letters
巻: 119 号: 1 ページ: 013901-013901
10.1103/physrevlett.119.013901
http://www2.riken.jp/Kimlab/