公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
研究代表者らは、破骨細胞分化にかかわる研究に長年取り組んでおり、2015年、破骨細胞分化の制御において好気的代謝が重要な役割をもつことを報告した。当該成果から、破骨細胞を取り巻く酸素は破骨細胞制御にかかわる重要な環境因子であることが考えられる。しかしながら、生体内で種々の細胞がどの程度の酸素分圧に日々晒されているのか、そして恒常的な酸素環境が乱された際に細胞にどのような影響がもたらされるかは不明である。本研究では、近年、研究代表者らが取り組んでいる時間相関単一光子計数による寿命測定法を用いた定量イメージンングを活用することで、生体内破骨細胞における酸素と代謝の関係性を明らかにすることを目的とする。本年度は、二光子蛍光寿命イメージングを用いて破骨細胞の代謝動態を解析するための2つの実験系を確立した。1つは、ATPに対するFRET型バイオセンサーGOATeamを発現するマウスの系統を用いたエネルギー代謝の解析である。GO-ATeamは、ドナータンパク質EGFPとアクセプタータンパク質OFPをATP結合ドメインで連結した構造をもち、ATPの量に応じてGFPからOFPへのFRETを生じるバイオセンサーである。通常、FRETを計測するためには、EGFPとOFPの蛍光強度を用いたレシオ法が用いられるが、二光子蛍光寿命イメージングを用いることでドナータンパク質EGFPの寿命測定からFRETを算出し、in vivoでのATP動態を解析する方法を確立した。2つめは、NAD(P)Hの自家蛍光を用いた解糖系活性の解析である。以上の2つの実験手法を用いることで、酸素分圧の変動(酸素の定量解析法は昨年度確立した)に伴う破骨細胞内の代謝活性への影響を明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件、 招待講演 9件)
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