公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
脳の神経回路は、学習あるいは疾患の発症などにより、その状態がダイナミックにシフト することが知られている。この神経回路の機能シフトが脳のどの領野でどの程度起こっているのかを捉えるためには全脳の活動を定量的に計測する必要がある。そこで本研究では、定量的活動依存性 Mn2+ 造影 MRI (qAIM-MRI) を種々の疾患モデル動物における神経回路シフト解析に適用しうるよう改良を行い、新たな神経回路シフト解析法の開発を行うと共に、in vitro イメージングにより局所神経回路における神経回路シフト解析の基盤を確立するために、以下の研究を行った。1. 脳内マンガン (Mn2+) 動態の計測を行い、定量的活動依存性マンガン造影 MRI (qAIM-MRI) による神経活動計測法を最適化した。2. 線条体直接路ニューロンに発現している D1 ドーパミン受容体 (D1 受容体) のコンディショナルノックダウンマウス (D1R-KD マウス) を用い、D1 受容体欠失が引き起こす神経回路シフトを解析するために、qAIM-MRI による全脳神経活動計測及び種々の運動能力試験及びを行った。その結果、運動能力の低下と相関した脳内の複数の領域で神経活動の異常が見いだされた。3. qAIM-MRI による慢性疼痛による神経回路シフトを可視化することに成功した。4. 「in vitro イメージングによる機能シフト発現メカニズムの解明」の基盤を確立するために、急性脳スライス標本を用いて、線条体投射ニューロンである直接路ニューロンあるいは間接路ニューロン特異的に蛍光タンパク質が発現しているマウスを用い、カルシウムイメージング法により直接路ニューロン、間接路ニューロンの入出力特性を詳細に検討した。その結果、直接路ニューロンと間接路ニューロンとでは、発火特性の入力周波数依存性が異なることが分かった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (39件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
Neuropharmacology
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