公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究課題にて、マウス胎生期脳内において神経幹細胞に限局した発現パターンを有するRNA結合蛋白質Qki5に着目した解析を行った。神経幹細胞におけるHITS-CLIP解析により、Qki5の結合するRNA部位をトランスクリプトームワイドに同定することで、Qki5のRNA作動部位は、遺伝子中のイントロン配列と遺伝子間に存在する非コードRNA領域に二分されていることが分かった。Qk遺伝子をノックダウンした神経幹細胞におけるRNAシークエンス解析との統合解析させた結果、Qki5が結合するイントロン領域では、選択的スプライシングエクソンに対し、3モードのRNAプロセシングの機能ルールを示すことを見出した。さらに神経幹細胞におけるQki5の生理機能に関しては、HITS-CLIP解析により同定したQki5の標的892遺伝子に対し、KEGG解析を実施することで、細胞間接着や細胞極性に関わるベータカテニン分子経路の異常を見出した。Qk遺伝子の神経幹細胞におけるコンディショナル欠損マウスを用いた生化学的解析により、このベータカンテンシグナルに関わる3つの重要なスプライシング異常を見出すとともに、組織学的解析により、神経幹細胞の極性や細胞間接着異常の予測の実証に成功することができた。一方で、Qki5のRNA結合部位には、選択的スプライシング機能ルールで説明不能な機能未知のオーファンHITS-CLIPクラスターが、イントロン領域、インタージェニック領域にも存在する。これらを追跡することで、3つの非コードRNAクラスである、イントロン性miRNA、環状RNA、長鎖型非コードRNAであるDOGの生合成と制御機構とその作動エレメントの同定を目指した解析を実施している。今後は、このQki5結合部位を指標としたアンチセンス核酸を用いた非コードRNAの制御についても追求していく予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (4件)
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https://ncrna.jp/blog/item/436-critical-period
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2017/36258/
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2017/10/13/28-24759/
https://ncrna.jp/blog/item/346-unbiased